証券会社の成功事例
「日本の投資信託は政策絡みで生まれたもの」と聞くと、いかにも聞こえが悪いですが、こういう政策的な見地で投資信託に期待しなければならないほど、相場が冷え切っていて、割安だと思っていても運用のプロさえも手が出せない、心底、割安に放置された底値圏のタイミングだったとも言えるでしょう。
しかも政府からは「どうしたら個人の投資を呼び込むことができるのか」と投資家有利の条件が整えられます。
「政策は買い」と相場の世界ではよく言われますが、「政策で個人の資金をいかに呼び込むか」と腐心している時期は、投資するチャンスに近いと考えて良いと私は思います。
2007年8月以降、サブプライム問題の深刻化で混迷する相場が続いています。
すでに2001年に誕生していたETFを、相場に活気を呼び戻す有望な投資ツールとして最近、見直すムードが出てきました。
アメリカではすっかり定着したETF。
日本においてもETFの普及が本物になるのか、今後が注目されます。
株式相場の市況コメントで「本日の株高は機関投資家の買い出動が好感されたものーとか、機関投資家の動向はマーケットに大きな影響を及ぼします。
機関投資家とは、利益を上げる目的で株式や債券などで運用し、常に投資に取り組んでいる企業のことをいいます。
生命保険会社、損害保険会社、普通銀行、投資信託会社、信用金庫、年金基金、共済組合、農業団体、信託銀行、政府系金融機関などのことを指します。
私はITバブルが崩壊した後、規模が比較的小さな機関投資家には、投資信託を利用して組織のスリム化を図るニーズがあると見て、金融機関を回り、「投資信託の有効活用」について説明して回ったことがあります。
反応はマチマチで、「選択肢としては有効」と評価するところもあれば、「何で運用のプロに投資信託を勧めるのか」と最初から不愉快だという反応を示すところもありました。
私が運用のプロである機関投資家に投資信託を勧めた理由は、運用の質を落とさず、しかも組織のスリム化を進めることが可能、運用の報告や、今後の運用計画の作成などの事務作業を外部委託でき、作業効率のアップにつながる、の2点です。
当時の金融機関は不良債権処理に毎日追われ、加えて運用資産の損益状況を金融監督庁や収益をチェックする社内の部署から細かく求められるなど、運用以外の事務作業が増えました。
一方リストラで運用部署の人員は減らされ、運用する現場は人手不足にキュウキュウし、ムードは停滞していました。
即戦力の運用担当者が抜ける中、新規採用は止まり、国際分散投資時代に対応した十分な運用スタッフを確保する余裕はなく、これまでの仕事量をこなすのも大変なほどです。
しかし、預金として、保険として預かった資金は運用しないわけにはいかず、組織のスリム化と運用効率のアップの両方を求められていたのです。
そこで私は運用スタッフが減った分、不得手な投資対象分野の運用を投資信託で代用するニーズがあるはずだと考えたわけです。
投資信託には、毎週、毎月、決算期ごとに運用会社が作成するレポートがあります。
この中には、非常に細やかな報告、状況説明が記載されています。
こうしたレポートを自ら作成しようと思えば、相当な時間を割かなければならないでしょう。
運用経験がある人がこのレポートを精査すれば、たとえ最初は門外漢の投資分野であっても、直にそのレポートに書かれた内容を理解できるようになり、自分なりの今後の運用方針を立てるまで、さほど時間はかからないでしょう。
したがって人員が減らされる中、手薄になった運用部署の効率を上げたいと悩んでいる中小金融機関や、当時インターネット専業で立ち上げたばかりで運用スタッフが十分ではない証券・保険・銀行の運用部署に、投資信託は有効なツールだと考えました。
よく投資信託は投資経験の少ない初心者向けの金融商品であるかのように宣伝されていますが、投資信託は奥が深く、プロはプロなりに、素人は素人なりに、技量に合わせた使い方ができる金融商品です。
投資信託は投資を必要とする万人向けの金融商品にもかかわらず評判が悪いというのは、投資信託を使うという立場ではなく、投資信託に自分を合わせるという窮屈なつきあい方をしていた投資家が多かったからではないでしょうか。
投資信託は運用のプロでも有効な投資手段です。
「投資初心者なら投資信託」には落とし穴投資信託は「債券よりもリスクがあって株式よりもリスクが小さい」、「リターンは債券よりも期待できるけど株式ほどは期待できない」とされていますが、債券と株式の聞に位置づけられる金融商品だと説明を受けることがありますが、私はこの説明は適当でないと考えています。
投資信託は「何を投資対象にするか」によってリスクとリターンの度合いは変わってきます。
投資家の代わりに運用を行う金融商品である投資信託を図で位置づけるのであれば、預金から株式にまたがる実線のように考えるのが適当ではないでしょうか。
したがって投資信託には運用を人に任せることができる気楽さはありますが、投資対象が株式であれば、実際自分で株式投資をやる場合と同様に株価の値動きと付き合っていくことになります。
運用は確かに運用会社に任せることができますが、結果責任は投資家本人なのですから。
投資対象によっては、経験が少なく、商品知識に乏しい投資家には不向きな、中上級者向けの投資信託もあります。
便利な道具も人の使い方で、迷惑な道具に変わったりします。
投資信託は初心者向けの金融商品だという考え方を捨て、便利な道具として、いかに投資信託を扱うかを考えていくことが大切です。
「来月満期になる定期預金が100万円あります。
どんな運用がよいでしょうか?何かお勧めの投資信託ありませんか?」という具合に金融機関の担当者にゆだねる相談の仕方をしてはいけません。
相談窓口が聖人君子の立派な担当者で「そもそも、そのおカネはどのようにお使いになりたいおカネなのですか?しばらく当てにせず運用できるおカネでしょうか?」とあなたの事情を聞いてくれた上で、「あなたに合った金融商品は何か」と相談に乗ってくれる人に当たればよいのですが、そういう人ばかりではありません。
心の中でニタッとほくそ笑み、「それでしたら、ちょうどお勧めのものがあります」と金融機関が売りたい商品を押しつけられることもありえます。
理想は、ご自身の投資目的、たとえば「5年程度は使う予定のないおカネで、年4%程度のリターンは確保したい。
もちろん、それなりのリスクは仕方ないと考えているが、一時的に損をしても長く持てば元本回復の可能性が高いものであれば良い」と投資目的を明確にして、それに合った投資信託と投資金額の目安をつけてから、金融機関の窓口に相談することです。
そして静かに窓口担当者の提案に耳を傾けます。
投資目的が明確なら、どこに行っても心配なしそこで自分が考えていた以外の金融商品を勧められたとき。
もしかしたら自分では思いつかなかったプロの視点での提案かも知れません。
あるいは、こちらを素人だと甘く見て、金融機関側の売りたい金融商品を押しつけようとしているのかも知れません。
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